シミュレーションとはこういうことだったのかと納得できる素晴らしい本だが、高い。
理科系のシミュレーションはまた別なのかも知れないが、経営に用いるシミュレーションの基礎を学ぶにはほぼこれで事足りるくらい充実している。私はゼミで輪講に用いたのだけれど、目から鱗が落ちるくらい感激したのを覚えている。
この場合のシミュレーションとは、モデルに対して確率分布を与えると度数分布を出力するモンテカルロシミュレーションである。もちろん難しいのはある問題にフィットする適切なモデルを設定するところにあるのだけれど、学習段階だから与えられたモデルを天下り的に利用させてもらって色々なテーマを見ていくと、なるほど、こうして結論を示されると有無を言わせぬ説得力を持つという気になる(繰り返すが、モデルが間違っていてももっともらしい結果は出るので騙されてはいけないけれど)。
シミュレーションの入門書なのだけれど、Crystal Ballの宣伝という感じもして、Crystall Ballの紹介にページがある程度割かれている。このソフトは強力だけど、別にCrystall Ballを持っていなくても統計学的な考え方もきちんと身に付くので自分でプログラムを書いてもいいかも知れない。
統計学は大学1年くらいでだいたい学ぶと思うけれど、多くの場合は無味乾燥で単位を取ると頭から抜けてしまう人が多いと思う。そういう人が続けてこの本を使えば、今後の研究で効果的に統計学を用いようという気になると思う。
目次
PART1 シミュレーションの基礎
- 第1章 ビジネスにおけるシミュレーションとリスク分析
- 1-1 シミュレーションの性質
- 1-2 シミュレーションモデルのタイプ
- 1-3 シミュレーションのプロセス
- 1-4 シミュレーションの長所と短所
- 1-5 シミュレーションの実践
- 第2章 スプレッドシートを利用したシミュレーションの基礎
- 2-1 スプレッドシートを利用したシミュレーションモデル
- 2-2 乱数と離散値
- 2-3 スプレッドでのモンテカルロシミュレーション
- 2-4 シミュレーションの実践
- 第3章 シミュレーションとリスク分析に必要な確率と統計の基礎
- 3-1 シミュレーションに利用する確率分布
- 3-2 確率的なインプットのモデリング
- 3-3 確率変量
- 3-4 モンテカルロシミュレーションの統計的な問題
- 3-5 シミュレーションの実践
PART2 シミュレーションとリスク分析
- 第4章 Crystal Ballを利用したビジネスリスク分析
- 4-1 Crystal Ballを使ったモンテカルロシミュレーション
- 4-2 インプット情報の指定
- 4-3 Crystal Ballのアウトプット
- 4-4 その他のCrystal Ballの機能
- 4-5 シミュレーションの実践
- 第5章 ビジネス現場でのリスク分析の応用
- 5-1 生産管理への応用
- 5-2 財務予測への応用
- 5-3 マーケティングへの応用
- 5-4 シミュレーションの実践
PART3 システムシミュレーション
- 第6章 ビジネス現場でのシステムシミュレーションモデルの構築
- 6-1 Mantel Manufacturingの事例
- 6-2 在庫のシミュレーションモデル
- 6-3 待ち行列のシミュレーションモデル
- 6-4 シミュレーションの実践
- 第7章 事象中心シミュレーションと連続型シミュレーション
- 7-1 単一サーバの待ち行列での事象中心シミュレーション
- 7-2 事象中心の在庫シミュレーションモデル
- 7-3 要素と属性
- 7-4 シミュレーション・ソフトウェア
- 7-5 連続性シミュレーションのモデリング
- 7-6 シミュレーションの実践
第8章 システムシミュレーションの結果分析
- 8-1 システムシミュレーションでの動的な反応
- 8-2 ポリシーとシステムの比較
- 8-3 実験計画
- 8-4 シミュレーションの実践
- 第9章 ビジネス現場でのシステムシミュレーションの応用
- 9-1 生産のスケジューリング
- 9-2 コンピュータネットワークの設計
- 9-3 医療への応用
- 9-4 シミュレーションの実践
admin :: 2月.10.2008 ::
シミュレーション, プログラミング, 経営工学, 統計学 ::
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