Posts RSS Comments RSS 32 投稿 and 1 コメント till now

Archive for 3月, 2008

金融工学入門

金融工学入門

著者/訳者:Array

出版社:日本経済新聞社( 2002-04 )

定価:¥ 5,040

単行本 ( 624 ページ )

ISBN-10 : 4532132290

ISBN-13 : 9784532132293


金融工学の教科書として強くオススメできる本。

凶器に使えそうなほど分厚い本で、いくつか持っている金融工学の本の教科書でも厚い方である。その分、非常に簡単な内容から、これだけ知っていれば大学の学部生ならば恥ずかしくない程度の知識まで網羅してある。取り扱っている内容も十分に広い。私事だが、私は就職活動で金融機関を受けてきたが、金融機関を受ける名門大学の学生もこれだけの知識を持っている人は案外少なかった。特に金融の理論を専攻している大学院生くらいになると分からないけれど、学部生ならこの1冊で十分過ぎるのではないかと思う。

本書は洋書の翻訳なので、うるさいほどに丁寧な解説と練習問題がついている。ただし答えが全部は載っていないのも洋書にありがちなことで残念である。

目次

第1章 イントロダクション
第I部 確定的なキャッシュ・フロー流列
第2章 基本的な金利理論
第3章 確定的付証券
第4章 金利の期間構造
第5章 応用金利分析

第II部 一期間確率的キャッシュ・フロー
第6章 平均ー分散ポートフォリオ理論
第7章 資本資産価格付けモデル
第8章 モデルとデータ
第9章 一般原理

第III部 派生証券
第10章 先渡、先物、スワップ
第11章 資産ダイナミクスのモデル
第12章 基本的なオプション理論
第13章 オプションについての追加事項
第14章 金利派生証券

第IV部 一般的なキャッシュ・フロー流列
第15章 最適ポートフォリオ成長
第16章 一般の投資評価

Hacking:美しき策謀―脆弱性攻撃の理論と実際

Hacking: 美しき策謀 ―脆弱性攻撃の理論と実際

著者/訳者:Array

出版社:オライリージャパン( 2005-06-20 )

定価:¥ 3,360

単行本(ソフトカバー) ( 273 ページ )

ISBN-10 : 4873112303

ISBN-13 : 9784873112305


これは下手なミステリーなんかよりずっと面白い。

美しき策謀というけど、うまいサブタイトルだと思う。内容は決して思わせぶりではなく、具体的なやり方に及んでいる。最初のトピックのバッファオーバーフローはよくニュースで聞くけれど、自分でこれを再現できる人はあまり多くないのではないか。本書では簡単な脆弱なコードを攻撃することから始まって、少し対策が施されるとどうなるかという形で発展していく。実際にシェルコードの書き方も紹介されているし、実際に試したわけではないけど、ミステリーで犯人と刑事のせめぎ合いのようなスリルを味わうことができる。

暗号についても面白かった。確率的にキーを割り出す手口はなるほどと思う。最近もそれを彷彿させる「DRAMに残った情報から暗号を解く」という手口があった。これもDRAMのデータが壊れるときに、電荷が抜ける方に壊れる確率が高いことを利用して精度をあげているそうだ。

暗号の最後に絶対に解けない暗号と、どんな暗号でも解けるコンピュータの勝負について触れてある。まるで矛盾みたいな話だけど、これも興味深かった。つまり暗号で重要なのはキーを安全に送ることができるかということ、キーは盗まれても盗まれたことに気づけば新しいキーを用意すればよく、平文は盗まれたら終わりであるということである。量子通信では盗聴を検出できるので、キーなら作り直して安全にキーが届いたことを確認できれば、あとはバーナム暗号も実用になる。バーナム暗号は平文と同じ長さのキーを使うため、そんな長いキーを安全に送れるのなら最初から平文を送ってしまえばいいことになり、缶詰めの中に缶切りが入っているようなものである。量子通信が先にできれば絶対に解けない暗号の出来上がりで、逆に素因数分解の効率的なアルゴリズムがわかれば現在の暗号は相当危機的になることになる(楕円曲線暗号とか代替案があるのはその点で重要)。

訳者まえがき
まえがき

  • 1章
    • 0×100 はじめに
  • 2章
    • 0×200 プログラミング
      • 0×210 プログラミングとは何か?
      • 0×220 プログラムの脆弱性攻撃
      • 0×230 汎用的な脆弱性攻撃テクニック
      • 0×240 マルチユーザにおけるファイル権限
      • 0×250 メモリ
        • 0×251 メモリの使用を宣言する
        • 0×252 文字列終端のNULLバイト
        • 0×253 メモリ領域のセグメンテーション
      • 0×260 バッファオーバーフロー
      • 0×270 スタックを足場にしたオーバーフロー攻撃
        • 0×271 攻撃コードを使わない攻撃
        • 0×272 環境変数の使用
      • 0×280 ヒープやbssを足場にしたオーバーフロー攻撃
        • 0×281 ヒープを足場にしたオーバーフローの基本
        • 0×282 関数へのポインタのオーバーフロー
      • 0×290 フォーマット文字列を利用した攻撃
        • 0×291 フォーマット文字列とprintf()
        • 0×292 フォーマット文字列の脆弱性
        • 0×293 任意のメモリアドレスを読み出す
        • 0×294 任意のメモリアドレスに書き出す
        • 0×295 ダイレクトパラメータアクセス
        • 0×296 dtorsを狙った攻撃
        • 0×297 GOTの上書き
      • 0×2a0 シェルコードを開発する
        • 0×2a1 よく使用するアセンブリ命令
        • 0×2a2 Linuxのシステムコール
        • 0×2a3 Hello, world!
        • 0×2a4 シェル起動コード
        • 0×2a5 他のセグメントを使用しないようにする
        • 0×2a6 NULLバイトの除去
        • 0×2a7 スタックを活用することでシェルコードをさらに小さくする
        • 0×2a8 ASCIIコードで表示可能な命令
        • 0×2a9 ポリモーフィックシェルコード
        • 0×2aa ASCIIコードの表示可能文字だけで作られたポリモーフィックシェルコード
        • 0×2ab Dissembler
      • 0×2b0 libcへのリターン
        • 0×2b1 system()へのリターン
        • 0×2b2 libcへのリターンの連鎖的な実行
        • 0×2b3 ラッパを使用する
        • 0×2b4 libcへのリターンを用いてNULLを出力する
        • 0×2b5 1回の呼び出しで複数のワードを出力する
  • 3章
    • 0×300 ネットワーキング
      • 0×310 ネットワーキングとは?
        • 0×311 OSIの参照モデル
      • 0×320 興味深い階層の詳細
        • 0×321 ネットワーク層
        • 0×322 トランスポート層
        • 0×323 データリンク層
      • 0×330 ネットワークのスニッフィング
        • 0×331 アクティブスニッフィング
      • 0×340 TCP/IPのハイジャック
        • 0×341 RSTを用いたハイジャック
      • 0×350 DoS攻撃
        • 0×351 Ping of Death
        • 0×352 Teardrop
        • 0×353 Ping Flooding
        • 0×354 Amplification Attack
        • 0×355 分散DoS攻撃
        • 0×356 SYN Flooding
      • 0×360 ポートスキャン
        • 0×361 ステルス型のSYNスキャン
        • 0×362 FINスキャン、X-masスキャン、NULLスキャン
        • 0×363 デコイの使用
        • 0×364 アイドルスキャン
        • 0×365 積極的な防御策(シュラウド)
  • 4章
    • 0×400 暗号学
      • 0×410 情報理論
        • 0×411 無条件安全性
        • 0×412 ワンタイムパッド
        • 0×413 量子鍵配布
        • 0×414 計算量的安全性
      • 0×420 アルゴリズムの実行時間
        • 0×421 漸近的計算量
      • 0×430 対称暗号
        • 0×431 Lov Groverの量子検索アルゴリズム
      • 0×440 非対称暗号
        • 0×441 RSA
        • 0×442 Peter Shorの量子因数分解アルゴリズム
      • 0×450 ハイブリッド暗号
        • 0×451 MiM攻撃
        • 0×452 SSHプロトコルによるホストのフィンガープリントの違い
        • 0×453 ファジーフィンガープリント
      • 0×460 パスワードクラッキング
        • 0×461 辞書攻撃
        • 0×462 総当たり攻撃
        • 0×463 ハッシュ検索テーブル
        • 0×464 パスワード確率マトリクス
      • 0×470 ワイヤレス802.11b暗号
        • 0×471 WEP(Wired Equivalent Privacy)
        • 0×472 RC4ストリーム暗号
      • 0×480 WEP攻撃
        • 0×481 オフライン総当たり攻撃
        • 0×482 キーストリームの再利用
        • 0×483 IVに基づく解読用辞書データベース
        • 0×484 IPリダイレクション
        • 0×485 FMS(Fluhrer、Mantin、Shamir)攻撃
  • 5章
    • 0×500まとめ
    • 参考文献
  • 索引

ウェブアプリケーションセキュリティ

ウェブアプリケーションセキュリティ

著者/訳者:Array

出版社:データ・ハウス( 2007-07-21 )

定価:¥ 4,830

ハードカバー ( 495 ページ )

ISBN-10 : 4887189400

ISBN-13 : 9784887189409


実践的でとても興味深いセキュリティの本。

クラッカーの攻撃方法は非常に多彩で、よくこんなことを思いつくなというものがたくさんある。しかし、普通にネットを使っているとそうした想像すらしないような手口は知らないけれど、掲示板などに「IP抜いた」とか書かれるとびっくりしないだろうか。だからこそ、具体的なクラックの方法について知っておくことで、だいたいこんな感じのことができると理解できる。もちろん、さらに奇抜な攻撃方法は次々開発されていくのだが、それでもハッタリくらいにはびっくりしなくなる知識は得られると思う。

掲載されている分野は多岐にわたっていて、かつそう難しくない。トピックによっては「なあんだ、知ってるよ」というものもたくさんあるのではないかと思う。それゆえ読みやすさと、新しい発見のバランスがちょうどいいのだと思う。クラック手法の中には「こんなの自分には絶対にできない」というものを披露するようなものもあるけれど、本書は手法を明らかにするとともに、クラッカーの視点を紹介して防衛する、つまり理解しやすいように配慮されているように思う。

ところで、何でハードカバーで箱入りなのだろう?本の大きさに比して文字もちょっと大きい感じがするし、無駄に価格を上げようとしているのかと勘ぐってしまう。

目次

  • 1章 ウェブアプリケーションセキュリティの基礎
  • 2章 データ処理の原則と指針
  • 3章 XSS
  • 4章 CSRF
  • 5章 セッション管理
  • 6章 SQLインジェクション
  • 7章 Doorman@JUMPERZ.NET
  • 8章 Guardian@JUMPERZ.NET
  • 9章 ディレクトリトラバーサル
  • 10章 コマンドインジェクション
  • 11章 ヘッダインジェクション
  • 12章 HRS
  • 13章 XST
  • 14章 Connection Flooding
  • 15章 SSL MITM攻撃
  • 16章 DNSを使った攻撃
  • 17章 クロスドメイン通信
  • 18章 AJAX