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これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

著者/訳者:マイケル・サンデル Michael J. Sandel

出版社:早川書房( 2010-05-22 )

定価:¥ 2,415

単行本 ( 384 ページ )

ISBN-10 : 4152091312

ISBN-13 : 9784152091314


NHKで放送中のハーバード白熱教室を本で読める。

小田中直樹の『ライブ・経済学の歴史―“経済学の見取り図”をつくろう』に「日常生活で役立たない経済学は不要」とあるのと同じような点で面白く感じる。メディアで見る経済学者は当たらない占い師のようなもので、あいつらなんでいるんだろう?と疑問に思うこともある。経済学という高尚な理論があるわけではなく、その時代の問題に対してどのように取り組んできたのかという歴史が経済学史であって、その歴史を読むことで経済学を俯瞰できるだけではなく、経済学に対しての見方も変わってくる。

よくリーマンショックなどの事態を見て、経済学(金融工学)の引き起こした犯罪のように糾弾する人もいるのだけど、常に社会には問題があふれていて、その都度できるだけよいように改善していこうという不断の努力が経済学というわけだ。

ライブ・経済学の歴史―“経済学の見取り図”をつくろう

著者/訳者:Array

出版社:勁草書房( 2003-10 )

定価:¥ 2,520

単行本 ( 273 ページ )

ISBN-10 : 4326550465

ISBN-13 : 9784326550463


哲学も同じで、目の前に色々な問題が転がっている。何が正しいことなのか色々な人が悩み、説得力のある理屈がいくつか出てくる。しかし万能な理屈はないので、別の問題を提起されるととたんに困る。5人が死ぬのと1人が死ぬのなら1人を見殺しにする方がよいと一旦結論づけても、5人の臓器移植を待つ人のために健康な1人を殺して臓器を奪っていいのかなどの例を挙げられると、それはさすがにダメだろうとすぐに破綻してしまう。何が正しいことなのかというのはとても難しい。

おそらく、絶対正義のような理屈はなく、大事なのは重要な意志決定を迫られる人が常に何が正しいのかということで悩み続けることだと思う。そして、ハーバード大学というアメリカの名門大学でこうした講義がなされていて、多くの人が問題意識を持っていると言うこと、これは希望につながってくる。現状は問題が山積みだけど、少しずつリーダーシップを発揮する人たちがよい方向に変えていってくれると期待するから。

青い光が見えたから 16歳のフィンランド留学記

青い光が見えたから 16歳のフィンランド留学記

著者/訳者:Array

出版社:講談社( 2007-03-16 )

定価:¥ 1,365

単行本 ( 294 ページ )

ISBN-10 : 4062138565

ISBN-13 : 9784062138567


良質な教育であると評判の高い北欧の教育について。以前『レイコ@チョート校 ―アメリカ東部名門プレップスクールの16歳』を文庫で読んだけど、あれと同じ気分で手に取ってみた。

レイコ@チョート校 ―アメリカ東部名門プレップスクールの16歳 (集英社新書)

著者/訳者:Array

出版社:集英社( 2001-11-16 )

定価:¥ 735

新書 ( 220 ページ )

ISBN-10 : 4087201147

ISBN-13 : 9784087201147


実は僕は日本の教育が劣っているとは思っていない。先日読んだ『ハーバード v.s. 東大』では散々こき下ろされていた東大の教育にしても、中学や高校の画一的と批判される教育にしても、そんなに問題だとは思っていない。というか画一的だとも思っていないんだけどね。大抵は親とか周囲の環境が悪いだけで学校側には問題はないというか、学校は親の期待に添うようにサービスをしているだけ。教育面で最悪の親は「そんなことはいいから、今は勉強しなさい」と子供の興味を奪う親。教育で大事なのは子供の適性を伸ばすことだと思うのに、適性を無視して画一的な枠に無理矢理はめ込んでどうするのかな。

これらの本を読むと、確かにチョートやフィンランドの教育は優れていると思う。特にチョートの記述は興味深いところが多く、リベラルアーツ教育がきちんとなされるところは素晴らしいと思った。文章の書き方から歴史の考え方に至るまで、いわゆる学力では計れないようなことの訓練がきちんとなされるように見える。

日本でも戦前はそういう予備門みたいなものがあったのだけどね。名門校だと中学生くらいのときに、東大模試で上位に名前が載る人がいるのだから、高校くらいからは大学入試レベルの試験に通過すれば予備門に隔離して、2年くらい特別な教育をしてもいいのかも知れない。日本は変に平等主義だから、そういうのを作るとうるさいんだけどね。

この二人に共通する行動力は素直に賞賛するし、羨ましいと思う。単なる帰国子女は身分階級の側面がある。つまり親が海外赴任のあるような仕事に就いている階級の子供は自ずと外国語能力に長けるだろうし、国際感覚も身につく。親は選べないので、運良くそういう親の子に生まれたら人生の幅が広がるというだけだ。しかし、この二人は自ら望んで若いというか幼いうちから自らの教育を選択した。これなら自分にもできたはずなんだけど、自分の場合はNNTになって行き詰まるまで海外に出ようなんて気概がなかったから大いに反省させられる。

ゲームコーディング・コンプリート 一流になるためのゲームプログラミング

ゲームコーディング・コンプリート 一流になるためのゲームプログラミング

著者/訳者:Array

出版社:ソフトバンククリエイティブ( 2010-03-31 )

定価:¥ 4,200

大型本 ( 864 ページ )

ISBN-10 : 4797358432

ISBN-13 : 9784797358438


少し前に「ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術」を買っちゃったから根性で立ち読みをした。系統は同じだけど「ウルティマ」シリーズ開発者、つまりアメリカ人によるゲームプログラミング解説書なので視点がちょっと違う。設計・デバッグ・ゲームエディタなどのトピックをこれでもかと詰め込んである。ネットを扱うのにSocketというものを使うのだけど、Windowsで一般的なWinSockではなくBSD Socketを何故使うかとか細かいことが色々書いてある点が参考になる。天下り的にこれを使うというより、著者の思考の過程を感じることができるほうが読んでいて面白い。

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